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2007年度研究内容

各ダイアライザーの残血度評価による抗擬固剤投与量の違いは透析中の脂質変化を
与え得るか

研究者
塚本 功埼玉医科大学病院 血液浄化部
村杉 浩埼玉医科大学病院 血液浄化部
山下 芳久埼玉医科大学病院 血液浄化部
田口 直昭岡村記念クリニック
岡村 維摩岡村記念クリニック
菅原 壮一埼玉医科大学病院 腎臓内科
鈴木 洋通埼玉医科大学病院 腎臓内科

キーワードヘパリン投与量、脂質代謝、生体適合性

要旨

各ダイアライザーによる残血性評価を行い、ヘパリン投与量の違いが透析中の脂質代謝に与える影響について検討した。

対象は維持透析患者7例、年齢53.4±14.7歳。透析期間は8.0±2.5年、基準体重は59.9±14.4kgであった。ダイアライザーはAPS-15SA、FDY-150GW及びTS-1.6ULを1ヶ月毎にクロスオーバーで用いた。そこで残血性評価を行い、ヘパリン最少必要投与量を求めた。血液刺激の評価因子としてヘパリン最少必要投与量下での遊離脂肪酸(FFA)、トリグリセライド(TG)、リポ蛋白リパーゼ(LPL)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を各ダイアライザーで検討した。

ヘパリン最少必要投与量についてAPS-15SAは5.5±3.0U/hr/kgであり、FDY-150GWおよびTS-1.6ULに比べて有意に低値を示した。APTTの変化についてAPS-15SAでは前値から終了時まで延長を抑えることができた。FFAは各ダイアライザーで前値に対して時間毎に有意に増加した。TGは各ダイアライザーで前値に対して時間毎に有意に低下した。特に15分から3時間においてAPS-15SAではFDY-150GW及びTS-1.6ULと比べ、有意に抑制した。LPLは各ダイアライザーで前値に対して時間毎に有意に増加した。 しかしながら、APS-15SAはTS-1.6ULと比較して60分値の増加の程度が低く抑えられた。

ダイアライザーの残血性評価からヘパリンを減量することで遊離脂肪酸の増加を抑えることが可能であり、APS-15SAが他のダイアライザーに比べて透析中の残血性が良好、かつ脂質代謝への影響も少ないことが示唆された。

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