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2007年度研究内容

透析患者における酸化ストレス度の検討
-Vitamin E固定化ポリスルホン膜(VPS-H)の抗酸化能の検討-

研究者
古川 康隆南総病院 血液浄化センター
堀川 哲彦南総病院 血液浄化センター
松ア 健三南総病院 血液浄化センター

キーワード酸化ストレス度、抗酸化能、ビタミンE固定化PS膜

要旨

活性酸素代謝産物の一つである血漿ヒドロペルオキシド群濃度を測定し、透析患者における酸化ストレス度(以下T-ROS値)を検討すると共に、ビタミンE固定化PS膜(VPS-H)のT-ROS値から見た抗酸化能についても検討した。

対象は、当院維持透析患者34名に透析前後のT-ROS値を測定した。また、6名に対し従来より使用されているPS膜(APS-MD)使用後、VPS-Hを12週使用しT-ROS値の推移について検討した。

結果:T-ROS値は透析患者群331.9± 60.4U.CARR、健常人群275.4±49.6U.CARRと透析患者群が有意に高値を示し、透析前値331.9± 60.4U.CARR、透析後値360.5±66.6U.CARRと透析前値に対し透析後値が有意に高値を示した。VPS-Hの抗酸化能の検討では、APS‐MD使用時に対しVPS-H変更1週後の透析前値でT-ROS値が有意に低下した。また透析前値の推移では、1週後に有意に低下した後は、4週、12週とも有意差は認めないものの1週後とほぼ同じ値で推移し、透析後値でも若干の低下傾向が認められた。

以上より透析患者は強い酸化ストレスに曝されていることが確認され、透析施行後にもT-ROS値の上昇を認めた事から、透析操作が酸化ストレスの増加に寄与すると考えられた。また、VPS-HはAPS-MDに比べ抗酸化作用に優れていることが確認された。

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