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2007年度研究内容

ビタミンEコート透析膜との接触によるリンパ球の遺伝子発現変化

研究者
小久保 謙―北里大学医療衛生学部医療工学科臨床工学専攻
外間 信人北里大学医療衛生学部医療工学科臨床工学専攻
新保 年弘北里大学医療衛生学部医療工学科臨床工学専攻
廣瀬 稔北里大学医療衛生学部医療工学科臨床工学専攻
小林 弘祐北里大学医療衛生学部医療工学科臨床工学専攻

キーワードビタミンE、ポリスルホン膜、遺伝子発現、リンパ球、マイクロアレイ

要旨

ビタミンEコート透析膜と接触したリンパ球の応答について、ウシ血液を用いたin vitroの実験系で、遺伝子発現変化を解析することにより、ビタミンEコーティングの効果について検討した。旭化成メディカル社製APS-15MD、VPS-13H(ビタミンEコート膜)を接続した透析回路にウシ血液を4時間灌流させた。灌流後、比重分離法により血液からリンパ球を分離した。リンパ球の遺伝子発現変化を網羅的に分析した。

細胞傷害性T細胞の活性を増強すると同時に、T細胞自身や他の細胞をアポトーシスに誘導するTNF‐α、Fasリガンドの遺伝子は、APS膜に接触したリンパ球では発現が増加したが、VPS膜に接触したリンパ球では発現増加が見られなかった。また、B細胞の機能に関連するCD22、CD79A、CD82の遺伝子は、APS膜に接触したリンパ球では発現が減少したが、VPS膜では減少しなかった。これらの遺伝子発現変化は透析膜によるリンパ球の免疫機能低下が、ビタミンEコートにより抑制される可能性を示唆している。

以上よリビタミンEをコーティングしたVPS膜では、ビタミンEをコーティングしていないAPS膜に接触したリンパ球で見られた細胞障害性に関わる遺伝子の発現増加や、B細胞の機能に関わる遺伝子の発現減少が見られず、APS膜に比べてリンパ球に与える影響が少ないと考えられた。

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