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2007年度研究内容

抗酸化能に及ぼす新規ビタミンE固定化ポリスルホン膜ダイアライザー(VPS-H)の効果

研究者
芝田 正道東京女子医科大学東医療センター内科 血液浄化部
安宅 謙東京女子医科大学東医療センター内科 血液浄化部
佐中 孜東京女子医科大学東医療センター内科 血液浄化部

キーワードビタミンE、血液透析、酸化LDL、ペントシジン、アディポネクチン

要旨

目的:ポリスルホン膜表面に従来品よリビタミンEを多量に固定化した新規ダイアライザーであるVPS-Hの抗酸化能に及ぼす効果を臨床にて確認する。

対象:本試験への参加について同意の得られた週3回の血液透析を施行中の安定した慢性腎不全患者16名(男10名、女6名、66.3±11.6歳)を対象とした。

方法:すべての対象患者はVPS-H以外のポリスルホン膜ダイアライザーを半年以上使用中で、この中から11名を無作為に抽出してVPS-H群とし、VPS-Hにダイアライザーを変更した。その他の5名はControl群として試験期間中ダイアライザーの変更は行わなかった。評価項目として、変更前、変更1、3、6、12ヶ月後に酸化LDL、抗酸化能(Cu還元力)、ペントシジン、アディポネクチンを測定した。ダイアライザーの性能評価としてPS-UWとVPS-15Hを比較した。また、変更後の症状の変化、合併症の有無を記録した。試験期間中原則として抗酸化能に影響する薬剤等の変更は行わなかった。

結果:試験中すべての症例において、症状の変化および合併症は認めなかった。VPS-15Hの溶質除去効率は、BUNのみPS-1.6UWと比較してやや劣るものの、他は有意な差を認めなかった。酸化LDLは、変更後1ヶ月で変更前より有意に低下し(変化率:VPS群0.68±0.16 p<0.001、Control群1.07± 0.17、VPS群vs.対照群 P<0.01)、その後12ヶ月まで同様の状態であった。抗酸化能は、変更後6ヶ月で変更前より有意に上昇し(変化率:VPS群1.35± 0.45 p < 0.05、対照群0.95±0.09、VPS群 vs.対照群 P < 0.05)、12ヶ月も同様であった。ペントシジン、アディポネクチンについては、各群内での有意な変化、また、各群間での有意な差は認められなかった。

結論:VPS-Hは、酸化LDL低下効果および抗酸化能の改善により生体内の酸化ストレスを軽減する可能性がある。

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