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2008年度研究内容

タンパク質の翻訳後修飾の役割
−酸化ストレスと翻訳後修飾反応の生体での意義−

研究者
谷口 直之大阪大学微生物病研究所・疾患糖鎖学・寄附研究部門教授

要旨

ゲノムから転写、翻訳の過程を経ていわゆるセントラルドグマにより、タンパク質が出来上がるが、そのタンパク質の少なくとも60%以上は、その後、糖鎖の付加や、リン酸化、メチル化、ニトロシル化などのいわゆる翻訳後修飾を受け、実際のタンパク質の機能を持ったり、あるいはタンパク質の機能変化を起こす。その中には、酵素的な修飾は糖転移酵素による糖鎖付加(グリコシレーション)、また、非酵素的な糖鎖付加(グリケーション)などがある。

本稿では、活性酸素や活性窒素にかかわるタンパク質、とくに活性酸素消去系の酵素の翻訳後修飾を中心に述べ、これらの修飾により、活性酸素の消去系酵素が不活性化され、生体の中で最も多く存在する過酸化物の蓄積を招き、酸化ストレスをきたし、ひいては動脈硬化、糖尿病、神経変性疾患などの引き金になることを述べる。

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