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2009年度研究内容

血管外科から見た透析患者における動脈硬化の進展と対策

研究者
原田 裕久東京歯科大学市川総合病院 血管外科

要旨

透析患者には下肢閉塞性動脈硬化症(peripheral arterial disease, PAD)の合併が多く見られ、とくに糖尿病合併例では重症化すると急速に下肢切断から致命的となることが多く、その予後は不良である。

当院における透析患者の重症PADに対する血行再建手術の成績を検討したところ、非透析例に比較して血行再建部位は有意に末梢まで達していたが、グラフト開存率、救肢率は有意差なく良好であり、積極的な血行再建は有用と思われた。しかし一方、生存率は透析例で有意に低く、手術の介入によっても重症虚血例の予後が不良であることが示された。すなわちPADの早期発見と重症化予防、適切な治療が予後改善のためには重要であろう。PADのTASCUガイドラインにおいてはABI値測定によるスクリーニングが予後改善のために重要と指摘されており、足病変の定期的な観察と併せて透析関連施設への早急な導入が望まれる。

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