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2010年度研究内容

ビタミンE固定化ポリスルホン膜使用透析患者における
還元型Coenzyme Q10の投与経験

研究者
本橋 和子東葛クリニック病院
中澤 了一東葛クリニック病院
山根 伸吾東葛クリニック病院
東 仲宣東葛クリニック病院
内野 晋也東京工科大学応用生物学部
山本 順寛東京工科大学応用生物学部

キーワード血液透析、coenzyme Q10

要旨

ビタミンE固定化ポリスルホン膜の使用により、透析患者における酸化ストレスの軽減が報告されている。Coenzyme Q10(CoQ10)は全細胞に存在する補酵素であり、抗酸化作用をもつ物質である。今回、維持透析患者へ酸化型および還元型CoQ10を投与し、酸化ストレスマーカー等への影響を検討した。酸化型CoQ10はポリスルホン膜(APS膜)使用患者およびビタミンE固定化ポリスルホン膜(PSE膜)使用患者へ6ヵ月間投与した。還元型CoQ10投与の検討はビタミンE固定化ポリスルホン膜(VPS-HA膜)使用患者で行い、還元型CoQ10とプラセボをそれぞれ3ヵ月間投与するcrossover試験とした。CoQ10投与量はいずれも100mg/dayとし、血漿中のCoQ10、酸化LDL等を測定した。血漿総CoQ10濃度は検討開始時と比較し、CoQ10投与後に有意に上昇した。CoQ10投与3ヵ月後の血漿総CoQ10濃度は、酸化型CoQ10投与APS膜使用患者で1826.6±630.9nM、酸化型CoQ10投与PSE膜使用患者で1627.9±765.8nM、還元型CoQ10投与VPS-HA膜使用患者で3651.2±1973.2nMであり、還元型CoQ10投与後の血漿総CoQ10濃度は酸化型CoQ10投与後と比較し、約2倍の高値を示した。血漿酸化LDLは、酸化型CoQ10投与APS膜およびPSE膜使用患者で、CoQ10投与後に有意な低下が認められたが、還元型CoQ10投与患者では有意な変動は認められなかった。CoQ10投与により、血漿CoQ10濃度の上昇が確認され、酸化型CoQ10に比し、還元型CoQ10では経口吸収性の改善が認められた。

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