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2010年度研究内容

低esRAGE-高Pentosidineは透析患者の動脈硬化・生命予後を悪化させる

研究者
渡辺 幸康渡辺内科クリニック
斉藤 浩次渡辺内科クリニック

キーワード血液透析、ペントシジン、esRAGE、動脈硬化、生命予後

要旨

目的: HD患者のAGE-RAGE系と動脈硬化・生命予後との関連性を検討した。

方法: 当院HD患者234例において、血漿ペントシジン濃度、血漿esRAGE濃度を測定し、各種動脈硬化マーカー・生命予後との関連を検討した。

結果: DM群(116例)は非DM群(118例)に比べて、血漿ペントシジン濃度は高く、血漿esRAGE濃度は低かった。虚血性心疾患(IHD)群(115例)は非IHD群(119例)に比べて、血漿ペントシジン濃度は高く、喫煙群(147例)は非喫煙群(87例)に比べて、血漿esRAGE濃度は低かった。血漿ペントシジン・血漿esRAGE濃度は推定GFRと逆相関を示し、血漿esRAGEはABPI・TBIと正相関を、頚動脈IMT・補正頚動脈大動脈PWV (補正CAo-PWV)と逆相関を示した。血漿ペントシジンはMax-IMT・透析歴と正相関を示した。IHD、TBIを従属変数とした重回帰分析で、血漿ペントシジン・esRAGEは有意な関連因子として採択され、ABPIを従属変数とした重回帰分析では血漿esRAGEが有意な関連因子として採択された。Kaplan-Meier法では血漿ペントシジン濃度が高いほど、全死亡・心血管系死亡のリスクは高く、血漿esRAGE濃度が低いほど、全死亡・心血管系死亡のリスクが高かった。ビタミンEコーティングダイアライザ旭VPS-HAを使用した患者は使用3ヵ月で血漿esRAGE透析前後変化率僂r補正は上昇し、血漿esRAGE透析前後変化率傳ody Weight補正は上昇した。ビタミンEコーティングダイアライザの使用によって、血管内皮細胞からのesRAGEの分泌能、すなわち、抗酸化能力が回復した可能性が示唆された。

結論: 血液透析患者の低esRAGE・高ペントシジン血症は動脈硬化・生命予後を悪化させる。ビタミンE コーティングダイアライザの使用は血管内皮細胞の機能を改善させる可能性が示唆された。

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