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2011年度研究内容

ビタミンEコート表面が好中球の活性化に及ぼす影響

研究者
小久保 謙一北里大学大学院医療系研究科
北里大学医療衛生学部医療工学科
桜沢 貴俊北里大学医療衛生学部医療工学科
塚尾 浩北里大学大学院医療系研究科
東京工科大学医療保健学部臨床工学科
新保 年弘北里大学医療衛生学部医療工学科
廣瀬 稔北里大学大学院医療系研究科
北里大学医療衛生学部医療工学科
小林 弘祐北里大学大学院医療系研究科
北里大学医療衛生学部医療工学科

キーワードビタミンE ポリスルホン透析膜 好中球活性化 過酸化脂質 スーパーオキシド

要旨

ビタミンEコート透析膜を使用すると活性酸素による酸化ストレスが低減されることが報告されている。
本研究では、活性化により各種活性酸素種を産生する好中球に着目し、透析膜と接触した際の好中球の活性化がビタミンEコート膜により抑制されるかどうか明らかにすることを目的とした。ダイアライザにはAPS-15MD(ビタミンE非コート透析膜)、VPS-13H(ビタミンEコート透析膜)を用いた。ブタ血液より好中球を分離し、それぞれの膜に接触させたときの好中球内における活性酸素種産生量を比較した。また、ブタ血液を血液流量200mL / minで4時間、各ダイアライザに循環環流させ、膜接触後の好中球へのfMLP刺激に対するスーパーオキシド産生能および血漿中の過酸化脂質の定量を行った。好中球が透析膜と接触したときの細胞内での活性酸素種産生量は、VPS膜に比べAPS膜との接触で有意に高値を示した。また、ダイアライザに血液を循環させた際の好中球のスーパーオキシド産生能は、APS膜に接触した好中球において有意に低下したが、VPS膜では低下しなかった。APS膜では血漿中の過酸化脂質は増加傾向を示したがVPS膜では変化しなかった。APS膜と接触した好中球は活性化して循環中に活性酸素を放出したため、膜接触後のスーパーオキシド産生能が低下したと考えられる。また、好中球が透析膜と接触したときの好中球内部での活性酸素種の産生がVPS膜との接触では少なかったことから、ビタミンEコート膜では活性酸素の直接的な消去に加え、好中球の活性酸素種産生を抑制している可能性があると考えられる。

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