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2011年度研究内容

透析中の自律神経応答の予備検討
〜生体適合性マーカーとして〜

研究者
山田 吉広安曇野赤十字病院 臨床工学課
須澤 大知須澤クリニック
熊藤 公博安曇野赤十字病院 臨床工学課
袖山 孝徳安曇野赤十字病院 臨床工学課
島村 栄安曇野赤十字病院 臨床工学課
浦野 浩明安曇野赤十字病院 臨床工学課
棚岡 綾乃安曇野赤十字病院 臨床工学課
是本 昌英旭化成クラレメディカル
百瀬 光生百瀬医院
床尾 万寿雄安曇野赤十字病院 腎臓内科

キーワード心拍変動解析 VitaminE固定化Polysulfone 透析膜生体適合性

要旨

目的:透析患者の透析中の心拍変動の解析(MemCalc法)を行い、各種透析膜の生体適合性を検討した。

対象と既往歴:56歳女性。平成10年CMLの急性転化、骨髄移植施行。平成19年5月、近医にて透析導入後、透析膜(4型PS膜を含む)の影響と思われる発熱あり。最終的にEVAL膜(3型、EK)の使用にて安定し、平成19年9月、通院の都合により当院に転院しEVAL膜を引き続き使用。平成20年12月、EK膜の発売中止により新たな透析膜を検討するに至った。

方法:患者の了解を得て、1.EVAL膜(2型、KF-m)、2.RC膜(2型、AMBC)、3.VPS膜(4型、ビタミンE固定化膜、VPS-HA)、4.PEPA膜(4型、FDX-GW)の順に使用した。心拍変動の解析を基にHF《副交感神経》、LF/HP《交感神経》、CVRR(Coefficient of variation of R-R intervals、心電図R-R間隔変動《副交感神経》)を算出し、脈拍数、体温変化も評価した。

結果および考察:透析中の体温や脈拍数の上昇率、ならびにLF/HFの活性は、PEPA膜>RC膜>EVAL膜>VPS膜の順であった。HP、CVRR活性では、VPS膜>EVAL膜>RC膜>PEPA膜の順であり、副交感神経活性は交感神経活性と相反した。今回の症例では、発熱抑制はEVAL膜よりもVPS膜の方が優れ、ビタミンE固定化による透析膜の生体適合性の向上が関連していると考えられた。

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