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2011年度研究内容

VPS-HAを用いた無抗凝固剤透析の検討

研究者
虎戸 寿浩東京大学医学部附属病院 血液浄化療法部
根岸 康介東京大学医学部附属病院 血液浄化療法部
山本 裕子東京大学医学部附属病院 血液浄化療法部
渡邊 恭通東京大学医学部附属病院 血液浄化療法部
里中 弘志東京大学医学部附属病院 血液浄化療法部
土井 研人東京大学医学部附属病院 血液浄化療法部
花房 規男東京大学医学部附属病院 血液浄化療法部
野入 英世東京大学医学部附属病院 血液浄化療法部

キーワードVPS-HA 無抗凝固剤透析

要旨

メシル酸ナファモスタットによるアナフィラキシーショックの既往があり、血性胸水を認めた症例に対して、高い生体適合性を有する、旭化成クラレメディカル社製ダイアライザ、APS-SA(ポリスルホン膜)とVPS-HA(ビタミンE固定化ポリスルホン膜)をクロスオーバーで使用。透析中の静脈圧・脈拍数・SpO2を1分おきに測定した。残血、血圧の変動幅とともに統計解析を行い、無抗凝固剤透析の可能性の検討を行った。

結果1:APS使用群に比べて、VPS使用群では除水量が多かったのにも関わらず、残血が少ない傾向がみられた。また、無凝固剤透析という厳しい条件にも関わらず、APS・VPSともに、凝固による治療中断のイベントは一度も発生しなかった。

結果2:透析中の脈拍数:APS使用群に比べて、VPS使用群では、脈拍数が少ない傾向がみられた。なお、両群間のヘモグロビン値には差異が認められなかった。

結果3:透析中の血圧変動:APS使用群に比べて、VPS使用群では除水量が多かったのにも関わらず、拡張期血圧の変動幅が少ない傾向が認められた。

結果4:静脈圧の時間経過:APS使用群では透析後半にかけて、緩徐ではあるが静脈圧の上昇傾向がみられたが、VPS使用群では透析後半にかけても、安定した静脈圧を保っている傾向がみられた。さらに、透析開始から22分から26分後と、透析開始から150分後から154分後の2ポイントに分けて比較を行ったところ、透析開始時に比べ、透析終了時では有意差が拡大する傾向がみられた。この2ポイントの移動平均値について、%変化量を検討したところ、APS群とVPS群の間で有意差を認めた。

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