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2012年度研究内容

維持透析患者における血中一酸化炭素(CO)値の検討
〜血中CO値からみた酸化ストレスおよび赤血球寿命に与えるVPSの効果〜

研究者
古川 康隆医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部
小先 智裕医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部
荒木 美希医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部
M田 哲郎医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部
堀川 哲彦医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部
松ア 健三医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部

キーワード安定維持透析 血中CO値 酸化ストレス 赤血球寿命 VPS-HA

要旨

背景・目的:透析患者における合併症の促進因子の一つとして酸化ストレスの関与が示唆され多くの報告がなされている。ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)は、hemeを分解する抗酸化酵素の一つであり、ストレスが加わったときにHO-1が誘導されCOが増加するものと考えられている。また近年、呼気中のCO値より赤血球寿命を算出出来ることが報告されている。今回我々は、生体ガス分析装置TRIlyzer(mBA-3000)を用いて維持透析患者における血中CO値の測定を行った。

方法:対象は当院維持透析施行中の患者79症例。方法は透析前、後の血中CO値を測定し、健常人、原疾患別、透析前後値の比較、各動脈硬化因子、貧血因子との関係およびVPS変更前後について検討した。また赤血球寿命を算出しこれについても同様の検討を行った。

結果:血中CO値の検討において健常人との比較では、透析患者群9.84±2.42ppm、健常人群6.21±5.51ppmと透析患者群が有意に高値を示し、透析前値に対し透析後値が有意に高値を示した。赤血球寿命の検討では、透析患者群54.35±13.81日、健常人群118.17±24.57日と透析患者群が有意に短い値を示した。VPS変更前後の血中CO値は、11.53±3.70ppm、10.45±2.62ppmと低下を認め、赤血球寿命も変更前後で47.0±15.38日、50.25±11.12日と若干の延長を認めた。

結語:透析患者の酸化ストレス亢進と酸化ストレスの貧血への関与が示唆され、VPS使用により赤血球寿命の若干の延長を認めたことから貧血改善の可能性が示唆された。

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