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2013年度研究内容

ビタミンE固定化膜長期使用患者の経過報告

研究者
久保 満医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院 臨床工学部
相原 宣彦医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院 臨床工学部
野崎 宏医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院 臨床工学部
新部 武人医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院 臨床工学部
新海 洋平医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院 臨床工学部
渋谷 泰史医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院 臨床工学部
松金 隆夫医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院 臨床工学部
東 仲宣医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院 外科

キーワードビタミンE固定化膜長期使用 貧血関連因子 イベント件数

要旨

ビタミンE固定化膜透析器(VitE)使用歴3年以上の維持透析患者13名の貧血関連検査値の変化および臨床経過について報告する。血色素(Hb)、血清鉄(血清Fe)、血清フェリチン値(FRT)、貧血治療薬(ESA)週間使用量(ESA使用量)について、VitE変更前後6ヶ月間比較で、HbおよびESA使用量、血清Fe、FRTは変更前後で有意差はなかったが、ESA使用量では増加傾向、FRTでは減少傾向を認めた。VitE使用を中止し、1年以上経過していた6名においては、Hbに有意差はなかったが、ESA使用量でVitE以外からVitE変更後に変更前の3145.8±1899.0U/週から変更後の3911.5±2697.6U/週へと有意(p<0.01)な増加、VitEからVitE以外への変更前後では有意差はなかったがESA使用量減少傾向を認めた。
VitEからVitE以外への変更では、有意差はないがESA使用量の減少傾向を認めた。血清FeではVitE以外からVitE変更後に有意差はなかったが、VitEからVitE以外への変更で変更前の50.0±17.2μg/ dLから68.1±20.0μg/dLへと有意な(p<0.02)増加を認めた。FRTにおいてはVitE以外からVitE変更後に減少傾向、VitEからVitE以外への変更で上昇傾向を認めたが、いづれも偏差が大きく有意差はなかった。狭心症状などの循環器病態やASO(閉塞性動脈硬化症)など末梢循環障害、シャント再建やシャントPTAなどのバスキュラーアクセストラブルの病歴から、VitE使用前後の全期間のイベント件数を比較した結果では、イベント件数で使用前37件が使用後27件へ減少したが有意差はなかった。
VitEの長期使用により、血清鉄の低下傾向、血清フェリチンの低下、ESA使用量の増加を確認し、鉄代謝への関与が示唆され、イベントにおいても発症件数が減じており、VitE長期使用の有用性が示唆された。

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