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2013年度研究内容

好酸球増多症を呈した血液透析患者にビタミンE固定化ポリスルホン膜が奏功した一例

研究者
薬袋 由布帝京大学医学部 内科
冨丘 聡帝京大学医学部 内科
内田 俊也帝京大学医学部 内科
兒島 憲一郎上尾中央総合病院腎臓内科
街 稔十条腎クリニック

キーワード好酸球増多症 ビタミンE固定化ポリスルホン膜 IL-5

要旨

症例は64歳の男性。6年前に糖尿病性腎症により血液透析導入となった。透析導入後から末梢血好酸球数が徐々に増加。寄生虫疾患、気管支喘息や薬剤性の好酸球増多症は否定的であった。6か月前には白血球数が35,470/μLまで増加し、皮膚掻痒感も出現してきたため、透析膜をポリスルホン膜からビタミンE固定化ポリスルホン膜であるVPS-HAに変更した。変更前後で白血球数、好酸球数、好酸球増殖因子である血清IL-5を測定した。VPS-HAに変更後から好酸球数は漸減、18か月後に白血球、好酸球ともに基準値内となった。変更前に認められた掻痒感は改善し、抗ヒスタミン薬を中止できた。血清IL-5は変更前に115 pg/mLと高値であったが12か月後には9.5 pg/mLまで低下した。VPS-HAが持つ抗酸化作用などの生体適合性の良さがIL-5の産生低下を介して好酸球増多症を改善させた可能性が考えられた。

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