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2013年度研究内容

透析患者における赤血球寿命の検討
〜透析器が赤血球寿命に与える影響の検討〜

研究者
古川 康隆医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部
荒木 美希医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部
浜田 哲郎医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部
堀川 哲彦医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部
松崎 健三医療法人社団 総星会五井クリニック 血液浄化部

キーワード血中CO値 赤血球寿命 酸化ストレス VPS-HA

要旨

腎性貧血の主要な成因は内因性エリスロポエチンの産生低下によるものとして知られているが、その他に尿毒症毒素の体内蓄積、必要栄養素の欠乏など多岐にわたる。尿毒症毒素には骨髄での造血抑制や末梢血での赤血球寿命の短縮の原因物質が存在するといわれている。今回我々は、血中CO値より算出される赤血球寿命について透析器が与える影響について検討した。

対象および方法:対象は当院維持透析施行中の非喫煙患者80症例。方法は透析前の血中CO値より算出される赤血球寿命について、健常人との比較、原疾患別および各種貧血因子について検討を行った。またW型からX型透析器に変更した7症例(APS-MD:MD→APS-EL:EL)、溶質除去の異なるX型透析器に変更した6症例(PES-SEαeco:PES→APS-EA:EA)およびVit E固定化透析器に変更した6症例(APS-MD:MD→VPS-HA:VPS)について変更前後の赤血球寿命について検討した。

結果:赤血球寿命は健常人群に比べ透析患者群が有意に短縮していた。またMDからELに変更した検討では、MD使用時48.0±7.6日、EL変更後75.6±26.4日と有意に延長し、 EAに変更した症例およびVPSに変更した症例では赤血球寿命の延長傾向が認められた。以上より透析患者では赤血球寿命の短縮が認められ、高い溶質除去性能溶を有する透析器の使用および酸化ストレスを抑えるVPS使用により赤血球寿命が延長することが認められた。

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