6月頃、一人旅で鹿児島県の屋久島に行きました。その頃は、サービス業の会社員で、普段は連休が取りにくい仕事でした。年に2回だけ5連休がもらえる制度があったため、一度訪れてみたいと思っていた屋久島に行くことを決意しました。もちろん、1番の目的は「縄文杉」を見ることでした。5連休の休みのうち、1日目は飛行機で鹿児島の市内に宿泊し、翌朝からフェリーで屋久島に向かうという予定を組みました。

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1日目の夕方に、中部国際空港を出発し、鹿児島空港に到着しました。鹿児島空港からはシャトルバス移動で市内の天文館まで向かいました。予約していた格安のビジネスホテルにチェックインし、飲み屋街を一人で散策しました。いわゆる地元の名物料理を取り扱う、ネットで探したレビュー評価の高い居酒屋に入りました。

名物の「鶏刺し」「さつまあげ」「焼酎」などをいただきました。鶏肉は鮮度抜群で、初の鹿児島グルメにテンションは爆上がりでした。やはり、地元から離れて、初めての旅先での居酒屋はたまりません。大将から、「一人旅ですか?」と話しかけられ、地元トークに花が咲き、最高の旅の幕開けだ!と感動しました。2日目は屋久島に到着し、海岸を散策。3日目には、「もののけ姫の舞台」と言われる白谷雲水峡でトレッキングを行い、4日目に「縄文杉トレッキング」5日目の朝に屋久島を出発し、帰宅するというプランでした。

2日目の朝のことです。鹿児島市内のビジネスホテルで宿泊し、朝8時頃に「屋久島フェリー」で屋久島に移動する予定でした。無料の朝食を食べ、最高のテンションでフェリー乗り場を目指しました。Googleマップで乗り場の場所を検索し、一人でバックパックを背負って歩いていました。すると、なんとも大きなフェリーが目に入り、更にテンションは高揚していました。フェリーを目指して歩くことにして、iPhoneの電池消費を抑えるために電源を消しました。フェリーに近くにつれて、なんとなく違和感がありました。乗り場の近くに着いて、ようやくその違和感を理解しました。なんと、そのフェリーは「沖縄行き」だったのです。

乗り場を間違えたようで、フェリーを目指して歩いたのが原因でした。時間は多少余裕があったので、再度マップで検索して屋久島行きのフェリー乗り場を目指しました。到着した先は、なんと海には全く接していない、タクシー会社でした。フェリー乗り場はどこですか?と聞くと、歩いたら30分ほどかかると言われ、確実に間に合わないことが判明しました。しかし、タクシーの運転手さんが自家用車で送迎してくれて、ギリギリ乗り込むことができました。

この旅で最も困ったことは、フェリーに乗り遅れそうになったことです。汗を流しながら猛ダッシュで走りましたが、マップが間違っており、タクシー会社に到着してしまいました。タクシー会社の方が、フェリーに連絡して下さり、1名お客さんが間違えてこっちに来ているということを伝えてくれました。絶対に間に合わないと言われ、落ち込んでいたところ、「来て!」と言われ、自家用車で本来のフェリー乗り場まで送ってくれました。自分が間違って歩いてきた道を、虚しくも車で戻りました。運転手さんに笑われながらも、心の中では頼むから間に合ってくれ!と祈っていました。

咄嗟の判断で送っていただき、未だに感謝の気持ちを忘れていません。ついにフェリーの出発時間になり、丁度フェリー乗り場に到着しました。すると、フェリーに乗船するための橋が既に上がっており、乗組員の方に、「急いで!」と言われて橋を降ろしてもらいました。乗客の方々は皆んな、甲板から私の方を見ていてすごく恥ずかしい思いをしました。大の大人が何をしているんだ・・・と赤面状態でしたが、なんとか乗り込むことができました。